ウクライナ語とロシア語の違いは何?同時に習得できる⁉(YouTube動画の復習用)

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※本ブログは私のYouTube動画のテキスト版です。
 発音が含まれる箇所については
 元の動画を参考にして下さい。

привіт!今日からあなたもマルチリンガル!
理系の言語オタク日向です。

「ウクライナ語とロシア語の違いは何?同時に習得できる⁉」

あなたはウクライナ語とロシア語がよく似ているのか、もしくは全然違うのかどうかご存知でしょうか?

ネットで調べてみると、以下のような疑問が多数見つかりました。

「ウクライナ語とロシア語の違いは関西弁と関東弁くらいの違いですか?」
「ロシア語を知っていれば、ウクライナ語も学びやすいのでしょうか?」
「ウクライナ語とロシア語では意思疎通ができるのでしょうか?」

しかし、それについての回答を細かく確認すると、「ウクライナ語とロシア語はよく似ています」というものもある一方で、
「いいや、意思疎通できないほど違います」というものもありました。
そのため、全く知らない人からすると、「結局、どっちやねん!」となるのではないでしょうか?

そこで、私の出番です。私は中学生の頃からロシア語を勉強しています。外国語ではロシア語学習歴が一番長いです。
そして、ウクライナ語についても、愛用している語学アプリのDuolingoで全コースを制覇しました。
感覚的には日本の中学校2年生で習う英語のレベルくらいだと思ってください。つまり、2つの言語の学習経験があります。

その経験をもとに、“言語的な観点”から、ウクライナ語とロシア語の違いに触れながら、
最終的に両言語は同時に学びやすいのかを一緒に考えてみましょう!

本題に移る前にチャンネルのご紹介です。私のチャンネルのキャッチフレーズは「今日からあなたもマルチリンガル!」です。
70ヵ国語勉強中の言語オタクの私が、理系発想の視点と語学ミニマリストの観点から
マルチリンガルになるためのコツや考え方をご紹介しています。興味のある方はお早めにチャンネル登録をお願いします。

それでは本題に移りましょう。

ウクライナとロシアの基礎知識

まずはウクライナとロシアの基礎知識を見ていきましょう!
なぜなら言語の違いを理解するために必要な知識だからです。

地理的な関係、民族の構成

はじめに、ウクライナとロシアの地理的な関係、民族の構成についてです。
下図の通り、ウクライナとロシアは隣接した国です。

https://www.britannica.com/topic/Slavic-languages

またウクライナとロシアは1991年までソビエト連邦という同じ国に属していました。
https://ru.wikipedia.org/wiki/Союз_Советских_Социалистических_Республик
そういった地理的・歴史的な背景から、民族構成を見ると、以下の通りになっています。

民族構成

国名 ウクライナ人の割合 ロシア人の割合
ウクライナ
(2001年)
77.8%
(第1位)
17.3%
(第2位)
ロシア
(2010年)
1.35%
(第3位)
80.9%
(第1位)

https://uk.wikipedia.org/wiki/Перепис_населення_України_(2001)

https://ru.wikipedia.org/wiki/Национальный_состав_России

意外にもウクライナは約5人に1人はロシア人という多民族国家だということが分かるでしょうか?

公用語と使用言語

ロシアではロシア語が公用語です。
ロシア語の利用率が99%となっており、ウクライナ語の利用率は1%未満とされています。これはイメージしやすいですね。
・2010年の全ロシア人口調査
https://ru.wikipedia.org/wiki/Языки_России_в_порядке_численности_владеющих

一方、ウクライナはロシアと違い、バイリンガル国家です。
公用語はウクライナ語とされており、2001 年のウクライナ国勢調査によると、ウクライナ国民 87.8%がウクライナ語に堪能と言われています。

ここでクイズです。ウクライナの民族構成としては、約8割がウクライナ人で約2割がロシア人ですが、
ウクライナでロシア語のみを母語としている比率は何%でしょうか?
1,5%
2,20%
3,40%

どれか一つお選びください。正解は「3,40%」でした。
実はウクライナにおけるロシア人は人口の約20%しかいないのにも関わらず、
ロシア語母語話者はそれよりも多く、40%もいるということをご存知でしょうか?

ウクライナ国民全体の母語の内訳を見ると以下のようになっています。

ウクライナ国民全体の母語の割合

ウクライナ国民全体の母語の比率
ウクライナ語のみ 38.2%
ロシア語のみ 40.5%
両言語を使用している 16.2%

http://irbis-nbuv.gov.ua/ulib/item/UKR0001588

一例として、ウクライナの第6代大統領、ゼレンスキー氏は人種がユダヤ人、母語はロシア語だそうです。
しかし、公式の場では母語のロシア語ではなく、ウクライナ語を使っています。

https://uk.wikipedia.org/wiki/Зеленський_Володимир_Олександрович#Вивчення_української_мови

さらにウクライナの首都、キーウ(キエフ)のデータを見てみましょう。
科学者グループが2000年にキーウの住民に実施した調査によると、
住民らの使用言語の状況と割合は以下のようになっています。

割合 使用言語状況
52.5% ロシア語が最も頻繁
32% 状況に応じて、両方の言語
14.8% 主にウクライナ語

https://uk.wikipedia.org/wiki/Статус_української_мови

もちろん、20年前のデータなので、現代とは状況が変わっているかもしれませんが、
ウクライナの首都ではウクライナ語だけでなく、ロシア語も重要な地位を占めていることが読み取れます。

このようにウクライナはウクライナ語とロシア語を両方使えるバイリンガルな国家ということがご理解いただけたでしょうか?

ウクライナ語とロシア語は似ているの?

次にウクライナ語とロシア語が言語的に似ているのか見ていきましょう!

語族

両者は同じインドヨーロッパ語族というグループに属している言語です。
簡単に言い換えると、どちらも共通起源を持っている言語ということです。

https://en.wikipedia.org/wiki/Indo-European_languages

下図の通り、その中でもスラヴ語派と呼ばれるグループに属しており、言語系統的に非常に近い関係にあります。

https://en.wikipedia.org/wiki/East_Slavic_languages

さらにどちらの言語もキリル文字と呼ばれる文字をベースにしたものを使っています。
もちろん、読み方の違いや一部文字の有無はあるものの、広い目で見れば同じ文字を使っていると言えます。
 
https://en.wikipedia.org/wiki/Cyrillic_script

単語比較

では、ここからは実際の単語を例に比較してみましょう!
以下のページにはスラヴ語派に属している言語で同じ意味を持つ単語、
208単語が掲載されていますので、今回はこれを参考にします。 

・スラヴ語派基礎語彙リスト
https://en.wiktionary.org/wiki/Appendix:Slavic_Swadesh_lists

人称代名詞と指示代名詞の比較

使っている文字や発音が多少違うところもありますが、全体的に似ているものが多いです。

意味 ウクライナ語 ロシア語
я (ja) я (ja)
私達 ми (my) мы (my)
あなた ти (ty) ты (ty)
あなた達 ви (vy) вы (vy)
彼、彼女、それ він (vin) он (on),она́ (oná),оно́ (onó)
彼ら вони́ (voný) они́ (oní)
ここ тут (tut) здесь (zdesʹ),тут (tut)
あそこ там (tam) там (tam)

※()内は発音の読み方を記載しています

数詞の比較

数詞もほぼ同じです。数が大きくなっても全体的に似ています。

意味 ウクライナ語 ロシア語
1つ оди́н (odýn) оди́н (odín)
2つ два (dva) два (dva)
3つ три (try) три (tri)
4つ чоти́ри (čotýry) четы́ре (četýre)
5つ п’ять (pʺjatʹ) пять (pjatʹ)

※前述のページ(スラヴ語派208単語)に掲載されていない単語は割愛

・その他
ほかにも、前述のページ(スラヴ語派208単語)に掲載されている単語のうち、
私の簡易的な調査では、ウクライナ語とロシア語で同じ意味で綴りも似ているものは85%ありました。

意味 ウクライナ語 ロシア語
день (denʹ) день (denʹ)
мо́ре (móre) мо́ре (móre)
ріка́ (riká) река́ (reká)
о́зеро (ózero) о́зеро (ózero)
名前 ім’я́ (imʺjá) и́мя (ímja)
~しない не (ne) не (ne)
~(場所)で в (v), у (u) в (v)
~と一緒に з (z) с (s)
~と~ і (i), й (j), та (ta) и (i), да (da)
寝る спа́ти (spáty) спать (spatʹ)
生きる жи́ти (žýty) жить (žitʹ)
知る зна́ти (znáty) знать (znatʹ)
横たわっている лежа́ти (ležáty) лежа́ть (ležátʹ)
座る сиді́ти (sydíty) сиде́ть (sidétʹ)
立つ стоя́ти (stojáty) стоя́ть (stojátʹ)

このようにウクライナ語とロシア語がほぼ共通した単語を持っているということからも
言語系統的に非常に近い関係であるということが分かるでしょうか?

意思疎通はできる?

「そんだけ言語系統的に近いんやったら、不自由なく意思疎通できるんちゃうの?」と思う人もいるかもしれません。
しかし、その考えは非常に短絡的すぎます。なぜなら、言語系統が近いことと、意思疎通できることは別の話だからです。

どういうことかと言うと、例えば唐辛子とピーマンはほぼ同一の遺伝子を持っています。つまり、系統的に同じです。
しかし、ピーマンの肉詰めを作ろうと思ってピーマンがなかった場合、激辛の唐辛子を代用して作ろうとはならないのではないでしょうか?系統が同じだからといって、全く同じ味とは限らないからです。
https://www.homemade.co.jp/column/archives/you-know_vol24.htm

したがって、ウクライナ語とロシア語の話に戻すと、意思疎通できるかについては言語系統だけではなく、
単語や発音、文法について総合的に見る必要があります。

意思疎通の壁

結論からお伝えすると、実際私が勉強してみて意思疎通はちょっと難しいかな…と感じます。
読めるけど、聞き取れないというイメージです。
それはなぜでしょうか?ここからは意思疎通を難しくしていると私が感じた要因を考察してみました。

その1:発音の違い

1つ目は発音の違いです。ちょっとした発音の違いによって文字で書けば理解できるのに
耳で聞くと何を言っているのかが分からないという場合があります。

発音の違いで、特に困るパターンは次の2つです。

  1. ロシア語のoがウクライナ語iとなるパターン
  2. ロシア語のgがウクライナ語でkhとなるパターン

これらは他のスラブ系言語でも見られることがありますが、ロシア語と比較した際に挙げられるウクライナ語の特徴です。
https://en.wikipedia.org/wiki/Ukrainian_language#Language_structure

それぞれの例を見ていきましょう。

ロシア語のoがウクライナ語iとなる例

意味 ウクライナ語 ロシア語
сіль (silʹ) соль (solʹ)
ніч (nič) ночь (nočʹ)
кі́стка (kístka) кость (kostʹ)

文字だけ見れば、「ちょっとちゃうんやな」くらいに思うかもしれませんが、この違いが結構曲者です。
日本語で例えてみましょう!

上表の発音の違いを日本語で例えた場合の読み方比較

意味 左記の読み oをiとした場合の読み
しお しぃー
よる いる
ほね ひね

試しに「本日はこの動画をご視聴ありがとうございます。」というフレーズのoの発音をiに変えてみます。
「ひんじつは、きにじーがいぎしちーありがちーぎざいます。」となります。

さて、あなたは意味が分かったでしょうか?
もちろん、ロシア語oの発音が全て、ウクライナ語ではiになるわけではないので、実際はもう少し聞き取りやすいかもしれません。

さらに発音の違いで困る2つ目のパターンは
ロシア語のgがウクライナ語でkhとなるパターンです。こちらも厄介です。

ロシア語のgがウクライナ語でkhとなる例

意味 ウクライナ語 ロシア語
話す говори́ти (hovorýty) говори́ть (govorítʹ)
гора́ (horá) гора́ (gorá)
голова́ (holová) голова́ (golová),
глава́ (glavá)*
脚、足 нога́ (nohá) нога́ (nogá)
сніг (snih) снег (sneg)

先程の日本語のフレーズ「本日はこの動画をご視聴ありがとうございます。」を同じように
ウクライナ語風にgの発音をhで発音すると、
「本日はほのどうはをほしちょうありはとうほざいます。」となります。
そのため、発音がどう変わるのかという法則を知ったとしても、やや聞き取りが難しくなるのではないでしょうか?

このようにウクライナ語とロシア語では同じ文字でも異なる発音があるため、
たとえ綴りが同じもしくは似ている単語だったとしても、
耳で聞くと全く意味が分からなくなるという現象が起こります。

これについては、日本語と中国語の漢字の違いにやや近いかもしれません。
日本語使用者が中国語を聞き取ることは難しいですが、文字を見れば理解できることもあるという状態です。

中国語と日本語で意味が同じで、漢字も同じ・似ている例

中国語 日本語
学校 xué xiào 学校 gakkou
紧急 jǐn jí 緊急 kinkyu

その2:他言語の影響

ここまで意思疎通の難しさについて、1つ目の要因として発音の違いをご紹介しました。

最後、2つ目の要因はウクライナ語がロシア語以外の他の言語から影響を受けていることです。
基本単語を比較してみましょう。

疑問詞の比較

意味 ウクライナ語 ロシア語
誰が хто (xto) кто (kto)
何を що (ščo) что (što)
どこで де (de) где (gde)
いつ коли́ (kolý) когда́ (kogdá)
どのように як (jak) как (kak)

同じ意味で全く異なる単語の例

意味 ウクライナ語 ロシア語
もし якщо́ (jakščó), коли́ (kolý), якби́ (jakbý) е́сли (jésli),
古語:е́жели (jéželi)*,
ко́ли (kóli)*
なぜなら бо (bo) потому́ что (potomú što), и́бо (íbo)
多く бага́то (baháto),
мно́го (mnóho)
мно́гие (mnógije),
мно́го (mnógo)
いくつかの кі́лька (kílʹka) не́сколько (néskolʹko),
не́которые (nékotoryje)
рік (rik), лі́то (líto) год (god)
хма́ра (xmára),
о́болок (óbolok)
о́блако (óblako),
ту́ча (túča)
悪い пога́ний (pohányj) плохо́й (ploxój),
злой (zloj)
見える диви́тися (dyvýtysja),
ба́чити (báčyty)
ви́деть (vídetʹ),
уви́деть (uvídetʹ)

ここまで違うと、仮にロシア語を勉強していても、何度も聞き返してしまうレベルになります。
この理由として、ウクライナ語は隣接している国の言語、ポーランド語やベラルーシ語の影響を受けているからです。
詳細は割愛しますが、ブログに掲載している参考にしたリストをご覧いただければ、
それらと同じ単語を使っていることが分かるはずです。

・スラヴ語派基礎語彙リスト
https://en.wiktionary.org/wiki/Appendix:Slavic_Swadesh_lists

・ウクライナ語に共存するポーランド語由来とロシア語系由来の単語例
https://languagetsar.com/в-чем-разница-между-русским-украински/

ウクライナ語とロシア語の文法は似ている!

では次に文法について簡単に触れていきます。

文法の違い

文法についてウクライナ語とロシア語は似ているのか?という疑問については、私個人的には非常に近いと感じました。
例えるなら、赤りんごと青りんごくらい似ています。

そのため、どちらかの言語を知っていれば、文法については短い期間勉強するだけで習得できます。

その中でも今回ご紹介したいものが2つあります。それはウクライナ語にあって、ロシア語にない文法です。

1つ目は総合未来形です。ウクライナ語では未来形が2つ存在します。

未来形の比較表

未来形の種類 ウクライナ語 ロシア語
合成未来形 Я буду готувати Я буду готовить
総合未来形 Я готува́тиму なし

合成未来形と総合未来形で、意味が異なるということはないようですが、
ロシア語には総合未来形がないので要注意です。

2つ目は呼格です。何かを呼ぶときに単語の語尾が変化します。

ウクライナ語の呼格
  Україна(Ukrajína)「ウクライナ」
  → Украї́но(Ukrajíno)「ウクライナよ!」
  
  Ки́їв(Kýjiv)「キーウ、キエフ」
  → Ки́єве(Kýjeve)「キーウよ、キエフよ!」

ちなみに古いロシア語にも呼格は存在しており、現代では痕跡のみが残っています。

ロシア語にある呼格の名残の例
Боже!(神よ!)、Господи!(主よ!)

https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q13128061948

ウクライナ語の文法について詳しく知りたいという場合は、ブログに参考ページを載せているので、そちらを御覧ください
https://en.wikipedia.org/wiki/Ukrainian_grammar

やはり意思疎通は難しい?

ここまで単語、発音、文法の共通点や相違点を見てきました。
しかし、意思疎通ができるのかどうかという疑問について答えるには私の主観的な部分も多く、やや客観性に欠けます。

数値データから見る両者の距離

下図をご覧ください。こちらはヨーロッパの言語の語彙的な距離を図にしたものです。
こちらの図を使えば、ウクライナ語とロシア語間で意思疎通ができるかどうかをもう少し客観的に判断することができます。

https://www.openculture.com/2017/08/a-colorful-map-visualizes-the-lexical-distances-between-europes-languages.html

例えば、あなたはスペイン語とポルトガル語で意思疎通ができるらしいという話を聞いたことはないでしょうか?
実際、私も両言語を勉強しましたが、すごく似ていると感じます。
一方、スペイン語に対してイタリア語やフランス語は似ているらしいが、
意思疎通できると言う話はあまり聞いたことがありません。

そういう場合にこの図を使うと、意思疎通できるかどうかの指標になると考えています。
例えば、図を見ると、ポルトガル語とスペイン語は25という距離にあります。
これなら意思疎通ができる既定値としましょう。
一方、スペイン語とフランス語は40ほど離れています。この場合は意思疎通ができない既定値としましょう。

この基準をもとに、ウクライナ語とロシア語の距離を見てみます。すると、38となっています。
先程の基準に照らし合わせると、客観的にも意思疎通は難しいということになるのではないでしょうか?

Q&A 現地の方は意思疎通はできる?

しかしながら、これはあくまでも研究データです。最後に現地の方の意見が大切になります。
それを知って初めて、ウクライナ語とロシア語の違い、さらに意思疎通できるのかについて総合的に判断できるのではないでしょうか?

ここでは外国語に特化したYahoo!知恵袋のようなサービス、Hinativeに寄せられた質問と回答をご紹介します。

1つ目、ポーランド人の方からの質問です。
「Скажите ли россияне понимают украинский так как украинцы понимают русский?
ウクライナ人がロシア語を理解するようにロシア国民はウクライナ語を理解できるのか教えて下さい。」
https://hinative.com/questions/2015331

・1人目のロシア人の回答
「いいえ」

・2人目のロシア人の回答
「いいえ、ウクライナ人は素晴らしくロシア語を理解しますが、
ロシア人はウクライナ語を理解していません。」

・3人目のロシア人の回答
「みんなではありませんが、分かる人もいれば、そうでない人もいます。
例えば、私はわかります。」

質問の回答とは少しそれますが、
ウクライナ語使用者から以下のようなコメントがありました。
「ウクライナ人はロシア語を理解します。
なぜなら、ここ(ウクライナ)では多くの街でそれが口語として使われているからです。」

2つ目、アラビア語使用者からの質問です。
「ロシア語とウクライナ語の違いは?! ロシア人はウクライナ語を理解できますか?」
https://hinative.com/questions/17621888

・1人目のロシア人の回答
「(理解できるところは)全くないですね。」

・2人目のロシア人の回答
「むしろ、ウクライナ人はロシア語を理解し、多くの場合両方の言語をよく知っています。
ロシア人もまたウクライナ語を理解しますが、少しだけです。」

・3人目のロシア人の回答
「私はロシア人で、ウクライナ語がわかりません。
しかしながら、ほとんどのウクライナ人はロシア語を普通に理解しています
(おそらく両親はロシア語を話しているか、学校で習っているのでしょうか?)。
多くのウクライナの成人はソ連で生まれたので、彼らがロシア語を知っているのも不思議ではありません。」

現地の方からの回答紹介は以上となります。

まとめ

ウクライナ語とロシア語で意思疎通できるのかという疑問について、
私の経験、単語や発音の例、語彙の距離、現地からの意見を確認すると、
特にロシアのロシア人はウクライナ語の理解が難しいと結論付けられます。

一方、言語習得の観点では単語や発音の違いはあるものの、文法的には非常に多くの共通点があるため、
例えば、ロシア語を学んでいれば、ウクライナ語の勉強でも役に立つと言えます。

もしよければ、あなたの感想を教えてください。勉強しやすいと思ったか、
全然そうではないと感じたなどお気軽にコメント頂ければ嬉しいです。

おまけでは、ウクライナ語とロシア語を学ぶなら、どんな順で学べばいいのかをご紹介します。

おまけの前にチャンネルのご紹介です。
このチャンネルのキャッチフレーズは「今日からあなたもマルチリンガル」です。
70ヵ国語勉強中である言語オタクの私が、理系発想の視点と語学ミニマリストの観点から、
言語学習に役立つ独自の手法や考え方をご紹介しています。

そんな私の夢は次の2つです。

「誰もがマルチリンガルになれる!」ということを全人類の常識にすること、
「誰もがマルチリンガルになれる」そんな場を作ることです。

もしあなたがマルチリンガルになるための手法をもっと知りたいと思ったら、
または私の夢に賛同いただけたら、お早めにチャンネル登録をお願いします。

おまけ

ウクライナ語とロシア語のどちらも独学で習得したい場合は、
勉強する順番についてはどうすればよいのでしょうか?

結論、ロシア語から始めるほうが良いと思います。

理由として、ウクライナ語に関する情報や書籍が日本にはほとんど存在しないからです。
書籍で言えば、
「ニューエクスプレスプラス ウクライナ語」と
「つばさ君のウクライナ語」、「初級ウクライナ語文法」の3冊くらいです。

これだけでは複雑な文法で詰まったときに参考文献としては弱く、
さらに実践的な会話力を身につけるのも困難です。

「インターネットで調べればええやん!」と思うかもしれませんが、
日本語で正しい情報が入手できて、かつ初心者に分かりやすいものは現時点でほとんどありません。

もちろん、すでにスラヴ系の言語学習経験のある人であれば、多少のアドバンテージはあると思うので、
ウクライナ語から始めてもすぐに馴染めると思います。英語で検索できる場合も情報を入手しやすいです。
しかし、そういう人は多くはないのではないでしょうか?

一方、ロシア語に関する情報は日本では少ないとは言え、
それでもウクライナ語より多く、おそらく100倍くらいの情報量があります。

そのため、まずは情報が豊富なロシア語を習得し、
その後にウクライナ語を勉強するほうが圧倒的に効率がいいと思います。

その際に今回ご紹介した違いや共通点を見返すと役に立つかもしれません。
ちなみにこの動画と全く同じ内容をブログにも掲載しているので、復習用にお使いください。
詳しくはYouTubeの概要欄を御覧ください。

最後にもしこの動画がきっかけで、
「ロシア語を勉強するとしても、何から始めればええのか分からへん!」という人もいるのではないでしょうか?

それについて、最近Twitterでリクエスト頂いたので、
今後ほぼ独学で身につけるロシア語の勉強法についてもご紹介したいと思います。
では、さようなら!

参考文献

https://uk.wikipedia.org/wiki/Перепис_населення_України_(2001)

https://ru.wikipedia.org/wiki/Украинский_язык

https://uk.wikipedia.org/wiki/Російська_мова_в_Україні#/media/Файл:Ukraine_census_2001_Russian.svg

https://www.ukrinform.jp/rubric-society/2758488-ren-qi-yan-yu-xiyuchubaukuraina-yutoroshia-yuno-weiiwo-ying-yude-shuo-ming.html

https://www.youtube.com/watch?v=e_IZkB2fg-w&list=PLQJ3IAEluGMjf6eO2qr2XTbA16V9U4p6q

https://www.youtube.com/watch?v=wNkDklTkX3w&t=183s

https://uk.wikipedia.org/wiki/Статус_української_мови