世界一効率的なタイ文字の覚え方 「文字の出現率」と「タイ文字の起源」(YouTube動画の復習用)
※本ブログは私のYouTube動画のテキスト版です。
発音が含まれる箇所については
元の動画を参考にして下さい。
สวัสดีครับ! こんにちは!
理系の言語オタクの日向です。
「世界一効率的なタイ文字の覚え方」
今回は最近タイ語を勉強し始めた人のために
「タイ文字の覚え方」についてご紹介します。
なおこの動画は文字一つ一つの発音に特化した内容ではなく、
あくまで子音字が覚えにくいことを前提として、
その効率的な覚え方について焦点を当てています。
そのため母音や補助記号については解説していませんのでご了承下さい。
まずタイ文字は子音字だけでも44文字あります。
https://es.m.wikipedia.org/wiki/Archivo:Thai_consonants_chart.png
ローマ字26文字の約1.7倍です。
さらに覚え方としても
「ひたすら書くしかない」という教えが多く見受けられます。
しかし、理系の私からすると、
「この21世紀において非効率過ぎひん?」
という疑問を持っていました。
「そんな面倒やったら、タイ文字って難易度高すぎん!?」
と思った人もいるのではないでしょうか?
でもご安心下さい!
こういうときこそ私の出番です!
タイ文字を世界一効率的に覚えられる方法を
約4ヶ月かけて独自に編み出しました。
この情報はおそらくほかのチャンネルやブログでも
紹介されていないものです!
もしこの動画を見れば、見なかった人と比べて
通常の2分の1の時間でタイ文字を習得することができます。
その鍵となるのは
「文字の出現率」と「タイ文字の起源」
です。
本題に入る前にチャンネルのご紹介です。
私のチャンネルのキャッチフレーズは「今日からあなたもマルチリンガル!」です。
70ヶ国語勉強中の言語オタクの私が理系的発想と語学ミニマリストの観点から、
マルチリンガルになるためのコツや考え方を発信しています。
是非、この動画を通じて、
丸暗記を減らすことでハッピータイ語ライフを手に入れましょう♪
「文字の出現率を用いて、優先度別に覚える」
突然ですが、ここでクイズです。
タイ語の頻出単語5000単語において、出現率が1%未満の子音字が含まれています。
では、それは子音字44文字中、約何%を占めているでしょうか?
1、5%
2、20%
3、52%
正解は「3、52%」です。
下図を見ると、実はタイ文字の子音字44文字の約半分は
出現率が1%未満のものだと分かります。
ですので、最近タイ語を学び始めた方であれば、
そのような文字は優先して覚えなくても大丈夫です。
なお、優先的に覚えなくてよい境目として、
出現率が1%未満の文字としていますが
これは私のタイ語学習経験に基づく独断と偏見に過ぎません。
しかしながら、実際に単語帳を見ても、
出現率1%未満の文字は仏教や法律に関係しているような
専門用語または外来語で使われることが多いと分かります。
よって、初心者であれば優先して覚えるべき文字は
出現率1%以上の21文字になります。
それを習得できれば、
例えばタイ旅行中にタイ語で書かれた駅名をあらかた読めるようになるでしょう!
もちろん、実際には母音の記号などを加えると、
覚える量としては増えます。
しかしながら、このような情報を知らずに
出現頻度の区別なく、44文字を書いて覚えるより、
出現頻度が高いものから順番に覚えるほうが効率的ではないでしょうか?
下図をご覧ください。
文字を出現率ごとに5つのグループに分けてみました。
もし今あなたがタイ文字の見分けが付かなくても、
問題ありません。一緒に見ていきましょう!
まずは出現率の高い文字と低い文字を
特徴から大まかに区別する方法をお伝えします。
・出現率によりグループ分けした44の子音字
特徴を簡単に言うと、よく使う文字は飾り気が少ないです。
一方、使う機会が少ない文字は下図のように
形状が縦や横に長い、装飾が多い、
凹んでいる部分が多いと個人的には感じます。
特徴ごとに分類してみると、下図のようになります。
出現率によりグループ分けした44の子音字の図に戻ると、
このように出現率が高い文字・低い文字の
傾向が見えてくるのではないでしょうか?
ここからは出現率の高いグループから順に
文字の形や単語例を見ていきましょう!
なお、この動画の内容はブログでも全く同じことをご紹介していますので、
後で復習したい場合にお役立て下さい。
ステップ1
下図をご覧ください。これは最も使われる6文字です。
一番初めに覚えましょう!
ステップ2
その次は下図の文字を覚えましょう!
右下に行くほど出現率が低くなります。
初心者向けの単語帳であれば、
こちらの文字を覚えていれば、ほとんど読めるようになります。
ステップ3
続いて以下は出現率1%未満の子音字です。
タイ文字に慣れてきたら覚えていきましょう!
特にあなたが日本人であれば「日本」という単語で使われている文字は
知っておいたほうがよいので、ここで触れておきます。
ステップ4
ここからは出現率の低い文字について手短にご紹介します。
タイ人とチャットでやりとりしたい方やニュースを読みたい方であれば、
ステップ3を習得後に覚えましょう!
ステップ5
最後に頻出5000単語では出現率0%である3文字をご紹介します。
それは下記の通りです。
1.廃字扱いではないが、実質使われていない1文字
2.廃字と呼ばれる、使われていない2文字
もしあなたが「樹木」、「僧戒師」に
興味があるなら覚えても良いかと思います。
ここまでの内容をまとめましょう!
- 優先的に覚えるべき文字は
出現率1%以上の子音字(21文字) - チャットをする、ニュースを読む際に覚えておきたい文字は
出現率1%未満の子音字(*21文字)
*廃字2文字を除く
・出現率よりグループ分けした44の子音字
以上が「文字の出現率を用いて、優先度別に覚える」という方法でした。
「タイ文字の起源を元に他言語の文字と関連付けて覚える」
「覚える量が減ったとしても、文字そのものが覚えられへんねん!」
という人もいるのではないでしょうか?
そう思ったのはあなたがタイ文字のルーツを知らないからかもしれません。
「いや、ルーツなんて知って、なんの得があんねん!」と思った人もいるでしょう。
実はタイ文字のルーツを知ることで、
すでに皆さんが知っている文字と関連付けられるため覚えやすくなります!
そんな情報があれば知りたくはありませんか?
ここでクイズです!
タイ文字と共通の起源を持つ文字は次のうちどれでしょうか?
1、ローマ字
2、漢字
3、ひらがな・カタカナ
正解は「1、ローマ字」です。
「距離的に考えてもローマ字とタイ文字が共通起源とかありえへんわ!」と思う人もいるのではないでしょうか?
下図をご覧ください。
タイ文字の起源を遡るとインドの文字が元になっており、
それを最古まで遡ると古代エジプトのヒエログリフに辿り着きます。
そしてタイ文字の起源の一つであるフェニキア文字から
実は皆さんご存知の“ローマ字”が作られています。驚きですよね?
これは海外の研究で明らかにされていることです。
つまり、学説的にタイ文字とローマ字は共通起源を持つと言えるのです。
タイ文字の覚え方の話に戻ると、
タイ文字単体を無作為に覚えようとするより、
共通起源の文字と比べながら、
連想記憶として定着させるのが効果的だと思いませんか?
もちろん、この起源を使った学び方にも限界があります。
例え同じ起源の文字であっても、
各言語で独自に発音や形状が変化しているものもあり、
場合によっては関連付けにくい文字もあるからです。
しかし、以下のようなメリットがあるのは見逃せません。
メリット
- ヒンディー語、アラビア語、韓国語などの学習経験があると文字が覚えやすい
- 将来的にタイ語だけではなく、クメール語やビルマ語なども学習しやすくなる
では、具体的に各子音字と共通起源の文字を見ていきましょう。
もちろん、44文字全てを紹介すると、長くなりますので、
この動画では前半で解説した覚える優先度の高い文字(ステップ1と2)に絞ってご紹介します。
なお、優先度の低い文字(ステップ3~5)の起源については動画では紹介しませんが、
興味のある方がいらっしゃれば、
動画の概要欄にある私のブログに表を載せているのでそちらをご覧ください。
もし表に不備がありましたら、コメントで優しく教えてもらえると幸いです。
まずは優先度が高い中でも共通点が一目で分かるものからご紹介します。
ローマ字のaとタイ文字のaに当たる文字が似ているのは偶然ではなく、
ルーツが同じだからです。
次はタイ文字でRに当たる文字です。
こちらも形がローマ字のrに似ているのはルーツが同じだからです。
ギリシャ文字Πをひっくり返したようなものがタイ文字に近いと思いませんか?
こちらはヒンディー語で使われるデーヴァナーガリーという文字やハングルのように
四角い形を受け継いでいるようです。
偶然にもギリシャ文字のμと形が似ているように思います。
そこまでいくと流石にこじつけやんと、突っ込みたくなりますね(笑)
先程の紹介したタイ文字のMに当たる文字に形が似ていますが、
◯の位置が違っています。
タイ文字の書き始めにローマ字の小文字のqのようなものが付いているのが分かるでしょうか?
発音もQになんとなく似て、kっぽいので覚えやすい気がします。
ほかにも覚える優先度の高い文字がありますが、
それらは少し共通点が分かりにくいため、最後におまけでご紹介します。
以上が「タイ文字の起源を元に他言語の文字と関連付けて覚える」手法でした。
まとめ
いかがでしたか?
「出現率の低い文字でもこれは〇〇の場面でよう使うで!」と思った方や
「こんな覚え方も自分には効果的やった」という経験がある方はぜひコメントで残して下さい。
今後勉強される方の参考になると思います!
まとめ
- タイ文字の出現率を見ると、覚えるべき文字の優先度が分かる
- タイ文字、ローマ字など共通起源の文字と関連付けて覚えると効果的
結論、これらを組み合わせれば、
通常の2分の1の時間でタイ文字を習得することができるはずです。
もちろん、タイ文字を学習する上で、今後躓きやすいポイントとして
発音や声調が難しいことやフォントの違いで文字が読めないなどあるかもしれません。
それでも、ここまで熱心に見ていただいたあなたなら、必ずタイ文字を習得できるはずです。
同じタイ語学習者として一緒に頑張っていきましょう!
「ちょっと待ってえや!文字を覚えても、単語も覚えられへんねん!」
という人もいるのではないでしょうか?
実はタイ語が「隠れ漢字圏」であるということから、楽に単語を覚えられる方法があります。
詳しくは過去の動画で説明しているので、こちらも合わせて見ていただけると幸いです。
漢字化すれば、タイ語は楽勝!タイは”隠れ”漢字圏だった!?Part1(YouTube動画テキスト版)
最後にチャンネルのご紹介
私のチャンネルのキャッチフレーズは
「今日からあなたもマルチリンガル!」
です。
70ヶ国語勉強中の言語オタクの私が理系的発想と語学ミニマリストの観点から、
マルチリンガルになるためのコツや考え方を発信しています。
そんな私の夢は
「全人類をマルチリンガル」
にすることです!
もしあなたがマルチリンガルになるための手法をもっと知りたいと思ったら、
または私の夢に賛同いただけたら、お早めにチャンネル登録をお願いします。
この後はおまけとして、後半で紹介できなかった図をお見せします。
ではまた次回の動画でお会いしましょう!
พบกันใหม่ครับ さようなら!
おまけ
https://language-geek.com/wp-content/uploads/2023/04/8722af3c7c7bc350a901b2e1c4d27150-1024×576.png
使用したデータと起源の一覧表
Chula 5000 Thai Frequency List – LEX
参考文献
・出現頻度について
https://th.wikipedia.org/wiki/อักษรไทย
How often is which letter?
Wirote Aroonmanakun, Dept.of Linguistics, Faculty of Arts, Chulalongkorn University International Conference : Wisdom and Dynamism of Thai Language and Literature, 10–12 Nov 2006
Thai Frequency Lists with English Definitions
・全文字共通
https://en.wiktionary.org/wiki/Appendix:Unicode
・タイ文字の起源について
https://i.redd.it/c79oizgvdyg81.png
https://www.etsy.com/jp/listing/849605028/evolution-of-the-alphabet
・フェニキア文字
https://en.wikipedia.org/wiki/Phoenician_alphabet
・ブラーフミー文字
https://en.wikipedia.org/wiki/Brahmic_scripts
・ヘブライ文字
https://en.wikipedia.org/wiki/Hebrew_alphabet
・タミル語
https://en.wikipedia.org/wiki/Tamil_script
・シンハラ語
https://en.wikipedia.org/wiki/Sinhala_script
・ビルマ文字
https://en.wikipedia.org/wiki/Brahmi_script
https://en.wikipedia.org/wiki/Burmese_alphabet
https://en.wikipedia.org/wiki/Burmese_phonology
https://en.wiktionary.org/wiki/Appendix:Unicode/Myanmar
・クメール文字
https://en.wikipedia.org/wiki/Khmer_script
https://en.wikipedia.org/wiki/Help:IPA/Khmer
https://en.wikipedia.org/wiki/Romanization_of_Khmer
http://khmerlounge.web.fc2.com/khmer_char_vowel.html
・チベット文字
https://en.wikipedia.org/wiki/Tibetan_script
・韓国語
https://en.wiktionary.org/wiki/%E3%85%87#Middle_Korean
https://en.wikipedia.org/wiki/Origin_of_Hangul
https://en.wikipedia.org/wiki/%CA%BCPhags-pa_script
https://en.wikipedia.org/wiki/Hangul
https://en.wikipedia.org/wiki/Korean_phonology
https://en.wikipedia.org/wiki/Help:IPA/Korean