フランス語 有音のHと無音のHの見分け方 / フランス人が教えられない文法 / 精度99.3%で見分けられる!(YouTube動画テキスト版)

フランス語 外国語学習

※本ブログは私のYouTube動画のテキスト版です。
 発音が含まれる箇所については
 元の動画を参考にして下さい。

Bonjour! Goededag! こんにちは!
今日からあなたもマルチリンガル!
理系の言語オタク日向です。

フランス語 有音のHと無音のHの見分け方 / フランス人が教えられない文法

フランス語にはHで始まる単語についてリエゾン、エリジオン、アンシェヌマンが
生じるものと生じないものがあるということをご存知でしょうか?

有音のH(h aspiré)とは?
リエゾン、エリジオン、アンシェヌマンが生じないもの
le + haricot ⇒ le haricot (l’haricotにはならない)
la + honte ⇒ la honte (l’honteにはならない)
  
無音のH(h muet)とは?
リエゾン、エリジオン、アンシェヌマンが生じるもの
la + histoire ⇒ l’histoire
le + hôtel ⇒ l’hôtel

フランス語のリエゾン・エリズィヨン・アンシェヌマン

これらの用語についてフランス語の教科書で見たことがあるという人もいるのではないでしょうか?
なお、辞書上は有音のHである単語には短剣符†というマークが付いています。

有音のHの場合の辞書上の表記
† haricot
† honte

「有音のHかどうかは単語ごとに辞書のマークを見ながら丸暗記するしかないんちゃうの?」と思っていませんか?

ご安心ください!

有音のHになるデータは公開されています。
今回はそれを元に有音のHなのか、無音のHなのか見分けるためのパターンを私が独自に導き出しました。

もしあなたがそのパターンさえ把握しておけば、
頻出単語1万語の場合でも、99.3%の精度で見分けられるようになります。

頻出単語1万単語のデータ

さて、ここでクイズです。

    homard、haricot、hollandeの由来は
    オランダ語やドイツ語系の単語です。
    これらの単語は有音と無音どちらに当てはまるでしょうか?

  1. 有音
  2. 無音

どれか一つお選び下さい。

正解は「1、有音」でした。

今回も言語オタクの私と一緒に有音のHの見分け方を学ぶことで
膨大な暗記を減らし、楽しいフランス語ライフを手に入れましょう!

    目次

  1. 間投詞と鳴き声の動詞のパターン
  2. Hが後付された単語パターン
  3. 外来語のパターン
  4. 専門家しか使わないパターン
  5. 傾向として見た目で分かるパターン
  6. まとめとおまけ

前述の通りフランス語においてどの単語が有音のHなのかというデータは
フランス語版のWikipediaに公開されています。

h aspiré

「ならこの動画見んでもそのサイト見て自分で勉強するわ!」と思うかもしれません。
しかし、上記のデータを見ると、有音のHだけで約570単語あります。

ネイティヴレベルのフランス語を極めるために「570単語を一つずつ覚える時間」と
今からご紹介する「5つのパターンを覚える時間」、短く終わるのはどちらでしょうか?

今回は有音のHの見分け方のパターン化とその例外について
私が約1ヶ月の時間を費やして徹底調査しました。

その1 間投詞と鳴き声の動詞のパターン

まずは分かりやすいパターンから見ていきましょう!
間投詞とは感動詞や感嘆詞に当たるものです。
「おい!」や「ふ~ん」のように感動、応答、呼び掛けを表す品詞です。

単語 意味
ha! 笑い声、驚きの声
han! えいっ!
haro! 助けを求める、猟犬をけしかけるために叫ぶ
ゲルマン語のharer「~に犬をけしかける」
英語here「ここ」と同起源。
hé! おい!おーい!
ええ、まぁ
hein? なんだって?
えっ、ねぇ、ほら
hélas 残念ながら、嗚呼(ああ)
hem えへん、ふーん
hep! (タクシーに)おーい
hello! 英語の挨拶 やあ
heu/heux! ええ、あのう
hi! ひっひっひ
hic 難しい点 ラテン語「ここ」より。
しゃっくり
hi-han ! ロバの鳴き声
hip 万歳!、わーい!
ho! おい!、おーい!
holà! おい!ちょっと!
hon! 鼻で笑う、ふん
hop ! (激励で)さぁ!
hoquet しゃっくり
hou やーい!
hourra/hurrah hipとともに使い、万歳!
hue (馬に指示するときの掛け声)
どうどう
hum! ふむ、うーん、えへん

ここであなたにお聞きしたいのが、
「間投詞に冠詞を付けることがあるでしょうか?」ということです。

「そもそも相槌の単語にリエゾンやエリジオンが発生したら
短すぎて原型なくなるやん!」と思いませんか?

そうです!相槌については無音だと単語として機能できません。
つまり、文法上、有音のHにならざるを得ないというわけです。

さらに言えば、これが有音のHであると覚える必要もありません。
?や!が付いている場合も多いため見た目で分かるからです。

ちなみに間投詞ではHが綴通り[h]と
発音されるものもありますので、ご注意下さい。

同じように間投詞から派生した動詞や動物の鳴き声に関する動詞
下記のように有音のHになります。

単語 意味
héler タクシーなどを遠くから呼ぶ
hennir 馬がいななく
hoqueter しゃっくりを上げる
huer やじをする、フクロウが鳴く
hululer フクロウが鳴く
humer 吸い込む、(香りを)嗅ぐ
hurler 遠吠えする、怒鳴る

これらの動詞から派生した名詞や形容詞も有音のHになります。
しかし、数は非常に少ないです。

その2 Hが後付された単語のパターン

数は多くありませんが、元々H始まりではなかったラテン語の単語が
現代のフランス語になる過程でHが後付され、さらに有音のHになったものが存在します。
その中でも派生語の多い頻出単語2語を詳しくご紹介します。

hors「~の外で」

語源はラテン語のforīs「扉、門」です。
元々ラテン語ではFから始まる単語でした。

フランス語ではFから始まれば、冠詞などが付いてもリエゾン、エリジオンや
アンシェヌマンが生じないということはご存じかと思います。

horsの場合はFがHに置換されましたが、その名残りで有音のHになりました。

ちなみにhorsの派生語で、副詞dehorsがあります。
dehorsは「屋外で」という意味で使われる頻出単語ですが、
元々は「門の外で」というニュアンスだったと理解を深めることもできるかもしれません。

horsになるまでの流れ
ラテン語forīs ⇒ 古フランス語fors ⇒
フランス南部ガスコーニュ地方訛りのオック語の影響でhorsに変化

https://fr.wiktionary.org/wiki/hors
https://en.wiktionary.org/wiki/foris#Latin

ガスコーニュ地方はフランスの南西にあり、スペインと地理的に近いため、
スペイン語と同じようにFの発音がHに変化することがあります。

ラテン語facere「する」から派生した単語
Hになったもの:スペイン語hacer、ガスコーニュのオック語hèr
Fのままのもの:フランス語faire、オック語fer

https://en.wiktionary.org/wiki/facio#Latin

細かい変化の流れを覚える必要はありませんが、
そういった経緯でhorsは元々Fの発音だったという名残で
有音のHになったのだと知れば、記憶に残りやすいのではないでしょうか?

huit「8」

huitのHは後付されたものになります。
では、なぜHが付けられたのかあなたはその理由が分かるでしょうか?

それは別の単語と発音が同じで競合してしまったからです。
その単語というのがvivreやvoir(古フランス語ではveoir)のvit[vit]です。

「vitとhuitって、いやいや全然発音ちゃうやん!」と思うかもしれませんが、
元になったラテン語ではVとUの発音は初め区別されていませんでした。

https://fr.wiktionary.org/wiki/huit

古代のvitという綴りでは「住む、見える、8」のどの意味なのか区別がつかない
という問題が生じていました。
そのため、フランス語ではvitとuitをそれぞれ区別するため
8を意味するuitの頭にHを追加しました。

さらに無音のHでは冠詞が付いたときに、luire「輝く」のluitと競合するためか、
huitは有音のHになったのではないかと考えられます。

huitが有音のHになった要因?
le huitがl’huitになると、
古フランス語ではluitと競合するから?
ラテン語で母音始まりの単語にHが付いて、
さらに有音のHになったもの

hérisson「ハリネズミ」、hérisser「釘を打ち付ける」
https://fr.wiktionary.org/wiki/h%C3%A9risson
  
hâler「日焼けする」
https://en.wiktionary.org/wiki/Reconstruction:Proto-Indo-European/h%E2%82%82eHs-
https://fr.wiktionary.org/wiki/h%C3%A2ler

しかしながら、同じように母音にHが足されたら全て有音になるわけではありません。

母音にHが後付された無音のH
huile「油」、huis「(古語で)扉」、huître「牡蠣」

とは言え、パターンを覚える際にも成り立ちや原因を知ることで、
無作為に暗記するよりかは覚えやすくなるのではないでしょうか?

その3 外来語のパターン

外来語は有音のHになりやすいです。
そして有音のHの大半をしめているのはこの外来語です。

主な外来語として英語、ドイツ語、アラビア語、スペイン語、日本語があります。

英語

単語 意味
hack ハックする、ハッキングする
haddock ハドック、コダラ
hall エントランスホール、ロビー
hand-
例:handicap
ハンド~
hanter 狩猟する、頻繁にする
古英語hāmettan
「家に持って帰る」
high-
例:high-life
ハイ~
hip-hop
hippie/hippy
ヒップホップ
ヒッピー
hit ヒット、成功
hit-parade ヒットチャート
hobby 趣味
holding 持株会社
hold-up ピストル強盗
Hollywood ハリウッド
home (ふざけた意味で)我が家
hooligan フーリガン
horse-
例:horsegard
馬~
hotdog ホットドック
hurricane ハリケーン

ドイツ語

単語 意味
halle ホール
ゲルマン祖語*hallō「部屋」
英語のhallと同語源
フランス語salleと綴や意味が似ているのは偶然
halte 休憩、止まれ!
ドイツ語halten「止める」が由来
hertz Hz、ヘルツ
hotte 背負籠、換気扇
hutte(名詞)/hutter(動詞) ヒュッテ、山小屋
ピザハットのhutと同語源
Henri アンリ、ヘンリー
Hesse ヘッセ
Hilbert ヒルベルト(アイスランド人名)
Hildegarde ヒルデガルト(女性の名前)
Hugo ユゴー

ギリシャ語のほんの一部

単語 意味
hiér(o)で始まる単語のほとんど hiéroglypheは有音と無音の両方あり
hernie ヘルニア
héros 英雄
Hadès ハデス
ギリシャの冥府の神

ギリシャ語由来の単語はほぼ無音のHですが、上記の単語のみ例外的に有音になります。

スペイン語

単語 意味・備考
hâbler スペイン語hablar「話す」→自慢する
フランス語のfable「逸話」と同起源
Honduras ホンジュラス
huerta 地中海式の灌漑農園、果樹園

ちなみにスペイン語自体はHから始まる単語について
フランス語のような有音のHはなく、無音のHしかありませんが、
上記の単語はフランス語に借用した際に独自に有音のHにしてしまっているようです。

スペイン語からの借用語で有音Hとなるものの数は少ないので、
上記を覚えれば大丈夫でしょう。

アラビア語

単語 意味
hadîth イスラム教の預言者ムハンマドの言行録
ハディース
hadj イスラム教徒の巡礼、ハッジ
haïk ハイク
モロッコの白いヒジャブのようなもの
halal ハラール、ハラル
halva ハルヴァ
アラブ圏で食べられる練ごまのお菓子
henné ヘンナ、ヘナ
ヘナタトゥーなどで使う染料になる植物

日本語

単語 意味
haïku 俳句
hara-kiri 切腹
hiragana ひらがな
Hiroshima 広島
Honshu 本州

傾向として、日本語や英語、アラビア語のように元の言語で
Hを発音する借用語では有音のHになる可能性が高いです。

その他

単語 意味
hindi/hindî ヒンディー語
Hittite ヒッタイト
Hongkong 香港
Hongrie ハンガリー
hongrer 去勢した馬、
馬を去勢するのはハンガリーの文化

またHから始まる外国の地名なら、全て有音になると思いそうですが、
かつてフランスが統治していたHaïti「ハイチ」のように
無音と有音のどちらにもなる単語も存在します。

「有音のHと無音のHのどっちもある単語やと、どっちを使えばええか分からへん!」
という人もいるのではないでしょうか?

そんな方には「Google Ngram Viewer」がおすすめです。
西暦1500年から現代までの文献のデータを元に単語の使用数を可視化、比較できます。

l’Haïtiとle Haïti 使用数の比較

辞書では分かりにくい有音と無音の両方のHを持つ単語でも
どちらのほうが使われているのか一目瞭然です。
これを使えば、複数名のフランス語ネイティヴに聞き回る必要もありません。

むしろ、フランス語ネイティヴよりも超正確な情報が得られます。
興味があれば、動画概要欄にあるブログからご確認下さい。

古代のゲルマン語派より借用した単語

外来語で有音のHになる最後の例です。
ゲルマン語派とは簡単に言えば英語やドイツ語、オランダ語など
主にゲルマン民族が使用している言語のグループのことです。

フランス語はそのような言語から農業、戦争、社会組織に関する語彙を
約1000語程度借用したと考えられています。

それらの言語では元々Hを発音するため、その名残で有音のHになりました。

しかし、外来語ではあるのですが、古い時代に取り入れられたこともあり、
フランス語本来の単語なのかどうか区別がしにくいという人もいるかもしれません。

単語 意味・備考
hach
ゲルマン祖語*hapjō「刃物」より
英語に借用され、hashになった。
ロシア語копейкаカペイカ
(ロシアの補助通貨)とも同語源
hagard 目つきなどが凶暴な、取り乱した
中高地ゲルマン語hag「雑木林」より
haie「生け垣」と関係していて、
そこに住む鷹を意味している?
haie 生け垣
ゲルマン祖語*hagjō「囲い」より
英語のhedge「生け垣」と同語源
リスクヘッジのhedge
haïr,haine 嫌う
ゲルマン祖語*hatjaną「狩る、攻撃する」
英語のhate「嫌う」と同起源
happer ぱくりと咥える、いきなり引っかかる
ドイツ語・英語happen
「起こる」と同起源
harasser ひどく疲れさせる
ゲルマン語のharer
「~に犬をけしかける」

英語here「ここ」と同起源。
後に英語がharass
「嫌がらせをする」として逆輸入
hâter 急ぐ、早める
ゲルマン祖語*haifstiz
「紛争、闘争」
haut 高い
ゲルマン祖語*hauhaz「高い」と
ラテン語 altus 高い」が混ざった単語

英語のhighと同語源
havre (古語や方言で)港、避難所
ゲルマン祖語*habanō
「港、避難所」
heurter ぶつかる
古ゲルマン祖語*hrūtaną
「いびきをかく、咆哮する」より
hideux 恐ろしく醜い
ゲルマン祖語*agaz
印欧祖語*agh-「恐れる、落ち込む」
hisser 綱を引いて引き上げる
中低地ドイツ語hissen
「急ぐ、追い込む、狩る」より
hollande オランダ
古オランダ語のholt lant
「森の土地」より
honte
ゲルマン祖語*hauniþō「恥」より
houille 石炭
古ワロン語hulhes「山、塚」、オランダ語heukel
単語 意味・備考
hareng ニシン
西ゲルマン祖語*hāring
「髪の毛(編み方)のような骨を持つ魚」
おそらく英語hairと同起源
haricot インゲン豆
ゲルマン祖語*harjōną
「軍隊で侵略する、
 荒廃させる、廃棄物を置く」
haricoter 細かく切る、引き裂く
hase うさぎ
中高ドイツ語hase「うさぎ」
héron サギ
ゲルマン祖語*haigrô,*hraigrô
「カラス」より
hêtre ブナ
ゲルマン祖語*haistraz「若い木」
hibou フクロウ
ゲルマン祖語*hūwôからラテン語が借用の可能性あり。
英語のowl「フクロウ」と同起源
homard オマール海老
中低地ドイツ語hummer「ロブスター」から
オランダ語hommer「ロブスター」

ゲルマン語の影響を受けたその他のフランス語の単語や特徴について
詳しくは動画概要欄に貼ってあるブログのほうを御覧ください。

フランク語

その4 専門家しか使わないパターン

専門家ではない限り一生使わないであろう単語があります。
その多くは先ほどと同様ゲルマン語派より借用したものです。

火縄銃(hacquebute)
種馬飼育場(haras)、
アルジェリア戦争中にフランス軍に入隊したアルジェリア軍(harka)
などなど
略語で唯一の有音H
HLM「低家賃集合住宅、公団住宅」

フランス語 有音のH(専門家しか使わない単語リスト)

「そんな単語いつ使うねん!」と私が思ったので、動画内ではご紹介しません。
気になる人は動画概要欄にあるブログを御覧ください。

その5 傾向として見た目で分かるパターン

ここまで様々なパターンを見てきましたが、
「もうちょい覚えやすいパターンあらへんの?」と感じた方もいるのではないでしょうか?

別の切り口として、単語の見た目で見分けるパターン
参考程度にご紹介しておきます。

傾向として見た目で分かるパターン
haï-,hai-,hau-,hiér-,hou-
ham-,han-,hen-,hun-
hach-,hoc-,hock-,hoq-
hal-のほとんど,hol-
harmonieの派生以外のhar-,
hors-,hur-
hâb-,has-,hât-,hut-

h_wordlist_in_french

ここまでご紹介したパターンとこの綴りのパターンを照らし合わせると分かることがあります。それは何でしょうか?

これらがゲルマン語や外来語でよく使われる綴りだということです。

そのため、ドイツ語やオランダ語を勉強すると、
フランス語の有音のHかどうかの区別が付きやすくなるというわけです。

「そこまで勉強できひんわー」という人も少なくともこのパターンを抑えておけば、
データ的にはそれらを勉強した人と大差がなくなるのでご安心ください。

まとめとおまけ

フランス語ではHから始まる単語について2種類の分類があるということを学びました。

有音のH(h aspiré)とは?
リエゾン、エリジオン、アンシェヌマンが生じないもの
le + haricot ⇒ le haricot (l’haricotにはならない)
la + honte ⇒ la honte (l’honteにはならない)
  
無音のH(h muet)とは?
リエゾン、エリジオン、アンシェヌマンが生じるもの
la + histoire ⇒ l’histoire
le + hôtel ⇒ l’hôtel

そして有音のHであるかどうかを見分ける方法を大きく分けて、
5パターンに分けてご紹介しました。

ある程度パターンを抑えておけば、冒頭で述べたように頻出単語1万語の場合でも
99.3%の精度で見分けられます。

場合によってはフランス語ネイティヴ話者より
精度がいい場合もあるのではないでしょうか?

ここからはおまけです。

ところで、なぜこのHの区別があるのかご存知でしょうか?
ヒントは今回ご紹介した説明の中にありました。

それは有音のHで始まる単語は元々フランス語ではなく、外来語だからです。
例えば、オランダ語やドイツ語は英語の親戚に当たり、Hの発音を[h]と発音します。
その名残が現代フランス語に有音のHとして残ったというわけです。

もちろん、huitやhorsのようにラテン語由来でも
別単語との発音の競合で有音になる珍しい例外もありますが、
基本的に有音Hは元々外来語だと思ってもらって構いません。

「私はフランス語だけ知りたいからその他の言語のことはどっちでもええねん!」
と思う人もいるかもしれません。

では、そんなあなたにクイズです!
Franceという国名の由来と意味をご存知でしょうか?

Franceという国名は5世紀から9世紀に存在したフランク王国という名称が由来です。
簡単に言えば、フランク人の国という意味です。
世界史で聞いたことがあるという人もいるかもしれません。

フランク王国

    では、そのフランク人というのは
    現代の国名でいうと何人に近いでしょうか?
    お答えください!

  1. ロシア人
  2. オランダ人
  3. トルコ人

どれか一つお選び下さい。

正解は「2、オランダ人」のことです。

フランク人
A brief history of Franks

つまり、フランスの意味は極端に言えば、
オランダ人の国という意味になります。

その国名が表すように現代のフランス語は
当時のオランダ人が訛りながら話したフランス語が元になっています。

それにより古代のオランダ語やドイツ語の単語や特徴が
フランス語には非常に多く取り入れられています。

今回ご紹介した有音のHもその名残の一つと言えるのではないでしょうか?

意外だったかもしれませんが、Franceという国名からも
そういったことが読み取れるとご理解いただけたかと思います。

私はフランス語だけなく、ドイツ語、オランダ語やアラビア語など
数多くの言語を勉強した経験を踏まえ、外国語学習で役立つノウハウを公開しています。

フランス語については同じようにゲルマン語の影響を受けたRの発音の習得方法や
名詞の性の見分け方などをご紹介しているので、ぜひともお早めにご覧下さい。

フランス語 名詞の性 見分け方 (YouTube動画の復習用)

最後にチャンネルのご紹介です。
私のチャンネルのキャッチフレーズは
「今日からあなたもマルチリンガル」です。

多言語学習の私が音声学の知識、データ、理系出身の発想を活かして、
数カ国語を同時に習得できるコツや考え方をご紹介しています。

そして私の夢は次の2つです。

「誰もがマルチリンガルになれる!」
ということを全人類の常識にすること、

「誰もがマルチリンガルになれる」
そんな場を作ることです。

もしあなたがマルチリンガルになるための手法をもっと知りたいと思ったら、
または私の夢に賛同いただけたら、お早めにチャンネル登録・高評価をお願いします。

あなたからのリスエストもお待ちしています!

では、さようなら
Bonne journée! Tot ziens!

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参考文献

h aspiré

https://books.google.com/ngrams

Wiktionnaire

Wiktionary