ざっくり分かる!日本における樺太犬の歴史|ニヴフ族と日本の意外な繋がり

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日本における樺太犬の歴史

本記事は、今後投稿予定の「ニヴフ族の衣食住」を解説する動画の関連資料としてまとめたものです。
事前にお読み頂けると、動画の理解が深まります。

樺太犬は古来よりニヴフ族によって生み出されたサハリン原産の犬種です。
彼らの衣食住を支えていた樺太犬は、日本にも渡り、1900年代の北海道には数多くいました。
1950年代には約1,000頭が飼育され、その中に南極探検に参加したタロとジロも含まれます。
しかし、1970年代から1980年代に日本では絶滅したとされています。
なぜ北海道で広く飼われ、そして姿を消したのでしょうか?
その理由を理解するためにも、日本における樺太犬の歴史をざっくり整理しました。

年表

年代出来事
1910白瀬南極探検隊に28頭ほどが同行する
1930北海道に荷役用の労働力として使われる
1940第二次世界大戦による混乱
1950北海道に1000頭ほどいた。南極観測隊に20頭ほどが同行する
1970寄生虫の拡大により感染や死者が発生し、感染防止のため、野犬等の駆除を行う
1980映画「南極物語」公開される。日本では事実上絶滅する

樺太犬が増えた歴史的な背景

上の表について樺太犬が増えた理由として2つの歴史的な背景について補足します。
1つ目は1905年から1945年までサハリン南部は日本の領土だったことです。
これによって、ニヴフ族や彼らが飼育していた樺太犬と接する機会がありました。
1930年頃の旧ソ連の政策などが影響し、第二次世界大戦の以前に相当数の樺太犬が日本へ持ち込まれたと考えられます。

もう一つの歴史的な背景は当初は樺太犬を労働力として利用していたということです。
労働力というと南極探検で活躍したことが取り上げられがちですが、
多くの犬は町の中では荷車を引くような運搬作業に従事していたようです。
当時を生きた人の証言は以下のとおりです。

「商店をいとなむ小企業者に利用され、一年を通じて荷を曳いていた」、
「(樺太では)使用人を雇い入れるよりも犬を飼った方が利益が上がって得だ」

このような歴史的な背景があり、北海道で多くの樺太犬が見られた時代がありました。

https://www.nipr.ac.jp/science-museum/archive/special/ouchi/kikaku2020SPR/

https://shirase-kinenkan.jp/index.html

https://www.researchgate.net/publication/266736993_nanjiji_dejitarufukeban

https://ir.library.osaka-u.ac.jp/repo/ouka/all/75768/cac03_129.pdf

https://id-info.jihs.go.jp/niid/ja/typhi-m/iasr-reference/8691-469r07.html

樺太犬が絶滅した一番の要因

頭数が増えた一方で、なぜ日本では絶滅するに至ったのでしょうか?
その大きな要因の一つが、エキノコックス対策による野犬などの駆除です。
エキノコックスとは、キツネ、オオカミ、犬などの糞から、ヒトにも感染する寄生虫の一種です。
2023年の研究によると、20世紀頃に北アメリカのアラスカ周辺から持ち込まれたキツネやネズミを介し、
日本に拡がった可能性が高いとされています。
注意しないといけないのはヒトに感染し、未治療の場合は約10年で致死率90%に達するということです。

1930年代に北海道の利尻島で初めて確認され、その後、感染者や死者が増加しました。
ここで問題になったのが野生化した樺太犬で、彼らもまた寄生虫の媒介者になっていました。
そのため、1950年以降には媒介者となる動物の徹底的な駆除が進められました。
これが大きな打撃となり、日本における頭数の減少と絶滅に繋がりました。

https://id-info.jihs.go.jp/infectious-diseases/echinococcosis/detail/index.html

https://id-info.jihs.go.jp/niid/ja/typhi-m/iasr-reference/8691-469r07.html

https://www.hokudai.ac.jp/news/2023/10/post-1331.html

https://www.forth.go.jp/moreinfo/topics/2016/04281514.html

https://www.jsava.org/pdf/download/common_2.pdf

https://h-crisis.niph.go.jp/archives/83129/

https://www.jsph.jp/docs/magazine/2000/02/47_02_0145.pdf

次回予告

残念ながら、日本では継続的な保護・繁殖活動が行われず、樺太犬は絶滅しました。
では、原産地であるロシア・サハリンでは、現在どのような状況なのでしょうか?
それについても、言語オタクの私がロシア語で徹底調査しました。
次回公開予定の「【永久保存版】ニヴフ族の文化 Part1 ニヴフの衣食住とは?」では、
ニヴフ族の衣食住に関連して、彼らの生活を支えた樺太犬の歴史を解説、最新の情報もご紹介します。
興味のある方は、ぜひYouTubeチャンネルをご登録ください!

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